ある広報マン・まもるの日記
第3回
2月16日(月)
「アスキーDos/v Issue」「TechWin」に顔を出しに行く。両編集部とも
担当者が離席中だったので、雑談もせずに用事だけすませる。
予定よりもだいぶ早めに終わったので、ケンタに寄って、こんど発売する
書籍の入稿前の原稿を読む。休日中に読まなくちゃいけなかったのに
読めなかったんだよねぇ。こんなとこで挽回できるとは。
2月17日(火)
今度、タッチタイプのソフトを書籍扱いで出すのだが、そのミーティング
に出席する。作り物はK広告代理店が担当するらしい。もらってもしょうが
ないけど、名刺交換だけする。タイトル名をどうするかという話題になった。
で、何気なくボクが言った案が通ってしまった。商品名って、こんな簡単に
決まってしまうのかぁ。そんなもんか…それとも、ボクにコピーライトの
才能があるのか…。
ミーティングから帰ると、「マック・ワールド」編集の人から電話が入っていた。
お願いしていた「マック・ワールド」(こっちは幕張で開かれるイベント名)
のチケットは手に入るそうだ。7枚GET。ウチの会社がヤバいって話を
すると、ホンキで心配してくれた。うれしかったよぉ。
「別の会社に行っても仲良くしましょう」という優しい言葉。
携帯の電話番号を交換する。
2月18日(水)
泣いた。感動した。この会社に入ってから初めてのことだ。
メールを出したり、訪問したりすると、ウチの社内状況を話さない
といけないから(後で、「何であのとき話してくれなかった」となるからね)
なるべくしないようにしていた。でも、どうしても避けられない用事が
できて、日頃、仲のいい編集者のところへ行った。
ウチの社内状況、出版部門が潰れること、ボクが転職先を探していること
などを話した。
一緒にブルーになってくれた。で、「実は、あえて言わなかったんだけど…」
その編集者は言う。「ボクの父親は○○の社長なんだ。だから、もし、
転職先を探しているんだったら、力になれるかもしれないよ。」
その言葉を聞いた時に、ほとんど感動のあまり泣き崩れそうになった。
その編集者の優しさに感動した。
「とりあえず、なんとか自分でやってみますよ。で、あがいてみてダメ
だったら、その時はお願いしますね」笑ってみせた。それがせいいっぱい
だった。
電車の中で泣いた。
自分のやってきたことが間違ってなかったと実感できた。嬉しかった。
でも、少し、くやしくもあった。ボクに力がないばっかりに、
いままで隠していた、父親のことを話させてしまったことが悲しかった。
「次の世の中を担う人間の一人になってやる」なんていきがったって、
しょせん、こんなもんなのか…。悲しかった。泣いた。
助けてくれようとする彼に、いつか何倍にもして恩を返そうと誓った。
いつかくる彼の窮地を助けてやれる人間になろうと思った。
確かに、日本でも数本の指に入る、あの会社の
社長なら、若造の一人や二人の就職先ぐらいなんとかなるだろう。
でも、もちろん頼るわけにはいかない。就職先くらい自分で決めてやる。
だって、「次の世の中を担う人間の一人」なんだから。
2月19日(木)
「TechWin」の担当者に会うことができた。体調を崩してし、医者から
規則正しい生活を送るように忠告されて退職を決心した、とのこと。
ああ、ボクのプロモーション生活のオアシスが消えるぅ。
一番かわいいかった編集担当者が辞めてしまうぅう。
ま、ボクも辞めるから関係ないか…
大学の同期がバンダイ、バンプレスト、セガに行っていると聞いていたので、
ボクの転職活動の一環としてオモチャ業界のことを聞いてみた。
「たまごっち」で一財産作ったかに見えたバンダイは意外や意外、社内状況
そんなによくないそうだ。工場の生産が人気に追いつかなくて、製品自体は
もうからなかったし、関連商品は逆に作りすぎて在庫が大量にあるそうだ。
セガの知りあいは…島根だったかな?地方でゲーセンの店長補佐をしている
とのこと。セガの「一年目はゲーセン店長説」にまたも有力な情報が入る。
「この3社の中なら、パンプレストかなぁ」だそうだ。ここにしても社内でゴタゴタある
ようだけどね。
外出から帰ると、すぐに来客。教育関係者向けの新聞に原稿を書いている
ライターに自社製品のプレゼンを行う。頭悪そうなオヤジだけど、
1/2ページ掲載してくれるって言うから愛想笑いもしてやった。
一日、外出していたので、マスコミさんから、ファックスでの問い合わせが
たまっていた。効率よくこなせるものはこなす。誰かに丸投げできる仕事は
丸投げする。
2月20日(金)
先週の日曜の代休でおやすみ。一日ゴロゴロするぞぉぉ。
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