電子辞書
(2010.03.25)
【参考】過去(2008年)の電子辞書のおすすめはこちら
【参考】過去(2009年)の電子辞書のおすすめはこちら
たんさんあってなかなか、どの電子辞書にしたらいいか決められない方のタメに、このページでは独断と偏見で、おすすめの電子辞書をとりあげます。
「くらべて.com」は、できるだけ客観的なデータの掲載にとどめ最終的には読者の判断で善し悪しを決めてもらうことをモットーとしていますが、このページに限っては、多くの電子辞書を触れてた経験者の目から見て、独断と偏見でズバリ、おすすめ電子辞書を提示します。

新しいモノ好きなら、動画コンテンツ収録の【PW-AC910(シャープ)】【PW-GC610(シャープ)】

2010年登場の電子辞書に搭載された新機能の中で、注目されるのは、(1)シャープ電子辞書「PW-AC910」「PW-GC610」に搭載された動画コンテンツとその再生機能、(2)セイコーインスツル電子辞書「SR-G7001M」「SR-G6001M」に搭載された名刺ビューワー機能、以上の2つ。
前者は、電子辞書の画面でブリタニカ百科事典などの動画コンテンツが見られるというもの。インターネット経由で、予備校の講義映像やNHK教育テレビの実験映像なども購入できる。後者は、セイコーインスツルのパソコンとの連携機能「PASORAMA」モデルの電子辞書において、パソコン経由でデジタル名刺データを収録できるというもの。ただし、名刺ビューワー機能を利用するには、別売で名刺管理ソフトが必要になる。

そうした状況をふまえつつ、2010年度、新しいモノ好きには、「PW-AC910」または「PW-GC610」をイチオシする。
推薦するポイントは、(1)注目の動画コンテンツ&再生機能、(2)2010年のトレンドであるカラー液晶搭載モデル、(3)デジタルツールとしてのデザイン性、以上3点。

「PW-AC910」「PW-GC610」は、カラー液晶などを特徴とするシャープ電子辞書ブランド「Brain(ブレーン)」の戦略製品。2010年度フラッグシップモデルでかつ「ブレーン」ブランドの普及機。多コンテンツ&高機能でありながら実売3万円前後というリーズナブルな電子辞書。
さらに、「PW-AC910」「PW-GC610」は、2010年度の全メーカーの電子辞書において、抜群のデザイン性を持つ。筐体のフォルムといい、カラーバリエーションといい、単刀直入、カッコイイ。 2010年度、電子辞書メーカー各社は、これまで以上に筐体のデザイン性をも意識したラインナップとなっているが、それらトップレベルでも「PW-AC910」「PW-GC610」は頭ひとつリードしている。

対抗となるのは、同じく2010年注目の新機能を搭載したセイコーインスツル「SR-G7001M」「SR-G6001M」。こちらは、セイコーインスツルインスツルが全面に押し出すパソコンとの連携機能「PASORAMA」搭載モデル。
パソコンとUSB接続をして、パソコン画面から電子辞書がひけるという斬新な機能性は、新しいモノ好きなら一度は試してみたくなる。辞書引きした内容をコピペもでき学習用ノート作成などにも便利。
また、「SR-G7001M」「SR-G6001M」は、2010年のカラー液晶以外のもう一つのトレンドである「コンパクトサイズ」の電子辞書でもある。いずれも「ビジネスかっこいい」感じのブラックのコンパクト電子辞書。デジタルツールとしてのデザイン性も十分合格点。
ちなみに、セイコーインスツルは、2010年モデルにおいても、「カラー液晶」搭載モデルは発売していない。「SR-G7001M」「SR-G6001M」もモノクロ画面。

迷うならカシオの一新したラインナップで間違いなし。学習用なら【XD-A8500(カシオ)】、生活実用なら【XD-A6500(カシオ)】、高校生なら【XD-A4800(カシオ)】

雑な言い方だが、どの電子辞書を買っていいか迷うなら、2010年度、一新したラインナップのカシオ電子辞書を買っておけば、まず間違いない。学習用なら「XD-A8500」、生活実用なら「XD-A6500」、高校生なら「XD-A4800」。
3万円を切る価格帯の最新電子辞書として「XD-A8500」、「XD-A6500」あたりが、1台目としても、リビング据え置きでも、プレゼントでも、ハズしのない選択肢だろう。

電子辞書シェア・ナンバーワンによる実績も見逃せないが、2010年 カシオの一新したラインナップは、新機能などの派手さはないが、近年の電子辞書のトレンドを踏まえて、コンテンツや機能性といった基本性能が上がっている。
新ラインナップは、どの機種もコンテンツも機能性もバランスがとれている。また、購入時に選択のポイントとなるような魅力あるコテンンツも必要十分にと収録。幅広い層と幅広いシーンでの利用が期待できる。
カラー液晶を搭載した、カシオの電子辞書、新ラインナップは、総合力で他メーカーよりもリードしている。

英語重視モデルのみ、実売5万円前後という価格ゆえに「XD-A10000(カシオ)」でいいのか悩ましいことろ。ただ、ネックとなっているのはコストパフォーマンスのみなので、お金があるなら「XD-A10000(カシオ)」を選んで問題なし。

ハズしのない電子辞書として、対抗となるのが、「Brain PW-AC110(シャープ)」「Brain PW-AC900(シャープ)」「パピルス PW-AT790(シャープ)」。
「Brain PW-AC110(シャープ)」は、2010年発売のカラー液晶を備えたコンパクトサイズの電子辞書。最新&高機能でかつリーズナブル。コンテンツのバランスもいいが、コンテンツ数は最近の電子辞書にしては絞りに絞った50種類。「Brain PW-AC900」「パピルス PW-AT790」は2009年モデルだが、まだまだ現役。どちらも2万円台前半まで価格も下がり今が買い時。「Brain PW-AC900」はカラー液晶搭載、「パピルス PW-AT790」はモノクロ液晶搭載。
搭載するコンテンツでタイプを分類すると、「Brain PW-AC110」は学習向け、リビング据え置きも2台目もこなすオールラウンドタイプ。「Brain PW-AC900」「パピルス PW-AT790」も生活総合系。幅広い層と利用シーンが見込め、ハズしが少ない。

2010年、高校生向けは選択肢が多い。ベストは【XD-A4800(カシオ)】【Brain PW-GC610(シャープ)】。ベターは【XD-SF4800(カシオ)】【パピルス PW-GM510(シャープ)】。さらに押さえで【wordtank S502(キヤノン)】も候補。

2010年、高校生向け電子辞書は、選択が迷ほど充実している。
機能性重視で、予算をかけられるなら「XD-A4800(カシオ)」「Brain PW-GC610(シャープ)」で決まり。いずれも、カシオとシャープの最新筐体と最新機能、高校生向け最新コンテンツを搭載したカラー液晶の電子辞書。高校生向けにターゲットを絞った機能やコンテンツも充実しているが、大学・社会人となっても十分に使えるモデルと言える。
「XD-A4800(カシオ)」は、2009年高校生向けとして、「くらべて.com」編集部でもイチオシだった、「XD-SF4800(カシオ)」の後継機。機能性とコンテンツの総合力が魅力。ハズしはない。
「Brain PW-GC610(シャープ)」は、動画再生にも対応したシャープ電子辞書のフラッグシップモデル。お洒落雑貨のような筐体カラーバリエーションも魅力。
各社の高校生向け最新モデルだが、高校生向けということもあり、実売3万円程度。

3万円はキビシイというなら、予算2万円コース。「XD-SF4800(カシオ)」「Brain PW-GM510(シャープ)」はどうだろうか。
「XD-SF4800」は、上記のとおり、2009年高校生向けとして、「くらべて.com」編集部でもイチオシだった電子辞書。 多機能&多コンテンツながら価格を抑えカラーバリエーション揃える普及機。業界トップレベルの機能性とバランスのとれたコンテンツながら、昨年実売価格2万円前半、今年は15,000円前後という高いコストパフォーマンス。まだまだ現役。
社会人や生活実用向けの電子辞書としても「XD-SF4800」は活躍。大学受験レベルの生物・物理・化学・日本史・世界史などなどのコンテンツが充実しており、ちょっとした調べ物なら十分こなせる。
ただし、最新の「XD-A4800(カシオ)」と違い、モノクロ画面。また、カシオのカタログにも掲載されなくなっているので、オンラインショップや店頭で在庫確認が必要。
「パピルス PW-GM510」は、2010年発売だが、カラー液晶を搭載していない「パピルス」ブランドの電子辞書。メーカーとして、高校生向けに、あえて価格を抑えたモデルを投入した。実売3万円の「Brain PW-GC610(シャープ)」に対して、さらに実売価格を抑えたモデル。実売2万円を切る。
コンテンツ数が43種類と絞りに絞っているが、高校生向けに人気のコンテンツを必要十分に搭載。高校生が使うぶんには、まず不便を感じないだろう。

さらに、予算2万円もキビシイというなら、予算1万円コース。「wordtank S502(キヤノン)」を提案する。
「wordtank S502」は、キヤノンが、2009年11月に投入した、戦略製品のひとつ。カラー液晶搭載コンパクトサイズの電子辞書。
コンテンツは、絞りに絞った、「国語辞典」「漢字辞典」「ジーニアス英和大辞典」「ウィズダム和英辞典」「オックスフォード現代英英辞典」などわずか6種類。一方、実売1万円を切る価格を実現している。
高校生に限らず社会人でも、辞書引きは、国語辞典・英和辞典・和英辞典しかほとんど使わないことを考えると、コンテンツを絞ってサッと使える1万円の電子辞書は十分選択肢のひとつとなり得るだろう。ただし、音声再生機能もないので、リスニング学習対策には別のツールを必要とする。

英語学習に絞るなら…こちらも選択肢いろいろ。【XD-A10000(カシオ)】【SR-S9002(セイコーインスツル)】【SR-G7001M(セイコーインスツル)】【SR-G9001(セイコーインスツル)】【PW-LT320(シャープ)】【wordtank S502(キヤノン)】【wordtank V330(キヤノン)】

以前は、英語コンテンツの充実した電子辞書といえば、他のタイプと区別されていたが、近年は、(英語コンテンツ充実タイプというわけでもない)メーカー各社のほとんどの電子辞書が、コンテンツ数もコンテンツ内容も充実。英語コンテンツの充実したタイプでなくとも、英語学習に必須である英和辞書・和英辞書・英英辞書・英語類語辞書を収録するようになった。しかも、各社ともに人気の英語系辞書を収録しており、英語系コンテンツでメーカーやモデルごとの差別化はつきにくくなっている。
要するに、あえて英語コンテンツが充実したタイプの電子辞書を選ばなくとも、最近のモデルであれば、英語学習用としても適ってしまう傾向にある。

一方、メーカーのいう「英語コンテンツを充実」した電子辞書は、多くの英語学習者にとっては、オーバースペック気味となり、2つのタイプに分岐した。「英語を扱うプロ向けのモデル」と「英語学習コンテンツを充実させたモデル」の2タイプ。
限界まで充実してしまった英語コンテンツは、それでも多種多様な英英辞典を搭載する、翻訳者や貿易関連事務、研究者など英語のプロ向けの「英語を扱うプロ向けのモデル」に行き着いた。
方や、外国語学習の大学生やTOEICテスト対策の社会人といった、英語学習用に電子辞書を購入しようというほとんどのユーザーにとって、多種多様な英英辞典は不要。多種多様な英英辞典は縮小させて、英単語集、TOEICテストやTOEFLテスト対策、英語系読み物などの英語関連コンテンツを搭載する「英語学習コンテンツを充実させたモデル」に行き着いた。

「英語を扱うプロ向けのモデル」と「英語学習コンテンツを充実させたモデル」の2タイプの両方を兼ね備えてしまうのが「XD-A10000(カシオ)」「SR-S9002(セイコーインスツル)」。
「XD-A10000」は、実売5万円という価格が許容範囲内なら、ハズしのない1台。充実の英語系辞書とTOEICテスト対策などの英語系コンテンツ。加えて、国語系にも強い。
「SR-S9002」は、英語偏重というくらい英語辞書と英語コンテンツばかりの電子辞書。英語学習以外に使う可能性ゼロであれば、大いに検討の余地があるだろう。

「くらべて.com」編集部としては、「SR-G7001M(セイコーインスツル)」「SR-G9001(セイコーインスツル)」あたりがオススメ。
無駄にたくさんの英英辞書が搭載されておらず、英語学習系コンテンツも充実している。英語コンテンツ以外の国語系や百科事典系も充実しており電子辞書としてのバランスもいい。

「PW-LT320(シャープ)」「wordtank V330(キヤノン)」も、多くの英語学習者が満足できるモデルだろう。
「PW-LT320」は、2008年発売の英語コンテンツを充実させたモデル。旧モデルだけに、2万円台前半にまで実売価格は下がっているので、オンラインショップなどに在庫があれば候補としても悪くない。
「wordtank V330」は、キヤノンの英語コンテンツを充実させた最新モデル。音声コンテンツや英語多読用コンテンツが充実しており、実売2万円台。学習タイプによっては大本命となってもおかしくない電子辞書。

「wordtank S502(キヤノン)」は、前述のとおり(高校生向けの記事参照)、コンテンツを絞りに絞った英語学習者向け電子辞書。シンプルさと実売1万円を切るコストパフォーマンスが魅力。

コンパクトサイズの電子辞書なら【PW-AC110(シャープ)】で決まり。【SR-G7001M(セイコーインスツル)】【SR-G6001M(セイコーインスツル)】と【wordtank S501(キヤノン)】【wordtank S502(キヤノン)】が対抗。

iPhoneアプリや携帯アプリの充実でコンパクトサイズの電子辞書ニーズが下がっているとはいえ、電子辞書専用機の使いやすさは健在。
2010年度、コンパクトサイズの電子辞書でイチオシは、「PW-AC110(シャープ)」。2010年のトレンドであるカラー液晶搭載の最新モデル。50種類と最近の電子辞書にしてはコンテンツ数は少ないが、コンテンツのバランスもよく、幅広いニーズに応えるベストなモデル。

「SR-G7001M(セイコーインスツル)」「SR-G6001M(セイコーインスツル)」も、セイコーインスツルの2010年度モデル。モノクロ液晶だが、コンテンツのバランスはまずまず。パソコンとの連携機能やデジタル名刺データ収録といった新機能を搭載。「SR-G7001M」は英語コンテンツ充実タイプ。「SR-G6001M」は英語コンテンツがやや弱い反面、旅行系コンテンツが充実している。

「wordtank S501(キヤノン)」「wordtank S502(キヤノン)」も、2010年のトレンドであるカラー液晶搭載の最新モデル。コンテンツを絞りに絞ってコストパフォーマンスに優れたモデル。
「wordtank S501」は搭載コンテンツ数が少ないながらも、国語辞書と英語辞書のバランスのとれたタイプ。「wordtank S502」は、「wordtank S501」より英語コンテンツ寄りにしたモデル。