今から1年前、2016年、カシオとシャープの2強のみとなった。セイコーとキヤノンの電子辞書は店頭から消えた
長い間、電子辞書は、カシオ、シャープ、セイコーインスツル、キヤノンのメーカー4社による寡占市場だった。
ところが、2014年10月、セイコーインスツル(SII)は、電子辞書ビジネスからの撤退を発表。キヤノンは、ここ数年、家電量販店の電子辞書売場に並べられるような新製品を発表していない。
セイコーインスツルとキヤノンが競争から脱落して、カシオとシャープが残った格好だ。
カシオとシャープも新製品の投入数と投入ペースは落ちている。
2016年、電子辞書は、カシオとシャープのみとなったが、その両社も新製品の投入数と投入ペースは落ちている。
カシオの新製品投入数は年々減少。2017年は、前年よりもさらに新製品投入数は少なくなる見込み。春モデルだけに限定すると、英語以外の語学や専門分野の電子辞書を除けば、新製品投入数は2年前と比べてほぼ半減している。
シャープにおいては、ここ数年、コンパクトサイズ等を除くと毎年4モデル(高校生向け/中学生向け/大学生・ビジネス/生活・教養)しか投入していない。2017年も変わらない。
毎年、電子辞書メーカーは、春の入学・入社シーズンに向けて新シリーズ(新ラインナップ)を投入する。
カシオ、シャープともに2017年春モデルの電子辞書自体に驚きはない。両社ともに旧モデルをさらに進化させた製品群だ。
2017年、カシオ、シャープともに電子辞書としての使いやすさや英語学習アプリなどをバージョンアップさせている。
ただ、まだ発展途中のようだが、カシオ電子辞書の英語学習専用機やスマホアプリとの連携機能は注目だ。 電子辞書や学習機器がオンラインサービスとつながる。 昨年末に発表したカシオ・旺文社・毎日新聞社によるオンライン上での新検定試験(英語対応力検定)への対応も予想される。
2017年、電子辞書の製品ではなくマーケティングにおいて、異変と言っては大げさかもしれないが、ちょっとした変化がある。
どんな「変化」「異変」であるか。
表面に出たことで言うと、このブログの表題にもあるとおり「新製品がAmazonにない!」だ。
カシオの一部の電子辞書が、発売日になっても、Amazonで販売されていない。
例えば、本日は2月14日だが、2月10日発売の「XD-G8000」は、Amazonの商品検索でヒットしない。
カシオは一部の電子辞書をネット販売しなくなったのかというと、そうではない。
「XD-G8000」は、カシオ公式通販サイトおよびヨドバシカメラやビックカメラの通販サイトではふつうに販売している。
新発売製品の販売において、Amazonよりも家電量販店に便宜をはかる意向のようだ。
2017年は、最上位モデルおよびビジネスモデルの相場が、例年よりも上がっている。
生活・教養モデル、高校生モデル、中学生モデルなどは、例年並みかやや下がっている。
大雑把に言うと、最上位モデルおよびビジネスモデルを除き、2017年春モデルは、実売価格30,000円前後。
型落ちの2016年春モデルは、実売価格20,000円前後が多くなっている。
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