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2014年の業界と製品のトレンド
2014年は、比較的、変化のない安定した年だ。
2014年・春モデルとして新シリーズを発売したのはカシオとシャープ。セイコーインスツルとキヤノンは、春の入学・入社シーズンも2013年発売モデルを店頭では推していた(ただし、セイコーインスツルの場合、2013年後半に発売の「ディファイラー」ブランド新製品が春モデルを意識したものだったかもしれない)。
電子辞書の価格もだいぶ、メーカーや機能による違いがなくなり安定してきた。メーカー各社の普及機は2万円台で横並び。多コンテンツ搭載上位機種3~4万円台、英語学習向け3万円台、高校生向け2万円台。5万円を超すモデルはほとんど見かけなくなった。1万円以下のモデルは別のマーケットに移動した(後述)。
今年の電子辞書トレンドのひとつは、大型スーパーや家電量販店で、1,000円~2,000円の電子辞書がワゴンセールだ。
「国語辞典」「和英・英和辞典」「中国語辞典」「韓国語辞典」など、コンテンツを絞った単機能電子辞書が、大型スーパーや家電量販店において1,000円~2,000円で売られはじめた。テキスト2行表示程度のディスプレとキーボードで、語彙数の少ない辞書(コンサイス辞書等)を搭載した電子辞書が安価で売られている。
注目の新製品は、「PW-SB1」「PW-SA1」「PW-SH1」「PW-SJ1」などのシャープ新ラインナップ。キーボードを背面に隠し、ディスプレイとタッチペンだけでタブレットPCのような使い方もできる新製品。電子辞書の利用シーンが広がるイメージがある。
シェアNo.1、業界をリードするカシオは、例年どおり2014年春モデルとして新シリーズを発売した。今年の新シリーズは、型番「XD-U」ではじまるモデル。2013年春モデル「XD-N」シリーズは、型落ちとなった。
「XD-U」ならではの大きな機能追加はないが、辞書選択画面をはじめ、ユーザーインターフェイスがよくなっている。搭載する膨大な量のコンテンツを、より利用しやすくなっている。学生向けには、デジタル単語帳(EX-word with)との連携をアピールしている。
セイコーインスツルは、相変わらず、英語重視電子辞書メーカー、となっている。セイコーインスツルの電子辞書は、おおむね搭載コンテンツが英語コンテンツに偏っている。シニア向けやホームユースなど、オーソドックスなタイプの電子辞書はほとんどない。
2013年後半、「ディファイラー」ブランドの新シリーズにリーズナブルな「ベーシックモデル」が発売(DF-X7000)された。機能性の高い「ディファイラー」ブランドの電子辞書はそれまで平均的な電子辞書よりもだいぶ高かったが、2万円台で手に入るようになった。
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