2015年は、カシオとシャープの2強時代スタートの年だ。
長い間、電子辞書は、カシオ、シャープ、セイコーインスツル、キヤノンのメーカー4社による寡占市場だった。
ところが、2014年10月、セイコーインスツル(SII)は、電子辞書ビジネスからの撤退を発表。キヤノンは、ここ数年、家電量販店の電子辞書売場に並べられるような新製品を発表していない。
セイコーインスツルとキヤノンが競争から脱落して、カシオとシャープが残った格好だ。
カシオとシャープの新製品投入ペースも落ちている。
毎年、電子辞書メーカーは、春の入学・入社シーズンに向けて新シリーズ(新ラインナップ)を投入。その後、6月~8月頃にマイナーチェンジした製品を発売する。今年4月~8月までに新製品の発表はカシオとシャープでそれぞれ1件ずつだ。
今年は、コンパクトタイプの電子辞書がトレンドだ。
春以降のカシオとシャープの新製品発表には、それぞれコンパクトタイプの電子辞書が含まれていた。手頃な価格のコンパクトタイプ電子辞書をぞれぞれ発売した。
電子辞書の販売価格は、2014年とほとんど変わらないか若干安くなっている。
メーカー各社の普及機は2万円台で横並び。多コンテンツ搭載上位機種3~4万円台、英語学習向け3万円台、高校生向け2万円台。5万円を超すモデルはほとんど見かけない。2014年同様、1万円以下のモデルは別のマーケットに移動した(後述)。
大型スーパーや家電量販店で、1,000円~2,000円の電子辞書がワゴンセールは続いている。
「国語辞典」「和英・英和辞典」「中国語辞典」「韓国語辞典」など、コンテンツを絞った単機能電子辞書が、大型スーパーや家電量販店において1,000円~2,000円で売られている。テキスト2行表示程度のディスプレとキーボードで、語彙数の少ない辞書(コンサイス辞書等)を搭載した電子辞書が安価で売られている。
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